テレコーラスプロジェクトの理念
"テレコーラス"
この聴き慣れない呼称は、ご想像の通り「遠隔」と「合唱」の造語です。そもそもこれまで「遠隔合唱」と呼べるような形はわれわれの意識の中にはありませんでした。まさに合唱の新たな形態です。関西人が反応する「テレコ」の響きは、価値観の逆転をも意味します。
合唱は今まで「同じ場所と時間を共有する」ことが成立の基本的な条件でした。全く想定外のパンデミックが、既成の取り組みに立ちはだかり、極めて困難な状況が生まれていることはご承知の通りです。しかし同時に、合唱人は立ち止まるだけではなく、新たな方法による合唱のあり方が示され始めています。
私達が目指すもの
場所と時間の共有を超えて成立する合唱の可能性は、「リモートコーラス」「ヴァーチャルクワイア」としてWEB上を賑わせ始めています。もちろん、従来の合唱とはその方法や意義が異なることは承知の上で、合唱の新たな可能性の一つとして現在の状況に一つの存在感を示し始めているのです。
その新たな形を生み出す力を、現在の困難からの回避のためだけではなく、さらに積極的に捉えて、そこから得られる「個人スキルの向上」「新たな表現の方法」や「演奏団体の交流」などを、アフターコロナの世界でも活用できる価値、いわば「パンデミック・レガシー」として残そうというのが、今回の「テレコーラス・プロジェクト」が目指すものです。
テレコーラス・プロジェクト代表 本山秀毅・高内章